
先日、東京にて「絵本表現と自己理解 体験セミナー」を開催しました。
当日は、ありがたいことに満席。
人事・研修担当の方、企業コンサルタント、カウンセラー、地域で子ども支援に関わる方など、本当にさまざまな分野・ご経験をお持ちの方にご参加いただきました。
初めてお会いする方同士でも、会場には最初からどこかやさしい空気が流れていました。
「自分の強みに出会う」絵本作り
今回のテーマは、「強みに“出会う”」
実はこのテーマ、前日にキャリア研修のサポートでご一緒した、ベテランのコンサルタントの先生との対話から生まれたものでした。
その場で感じた気づきを、ほぼ“湯気が立ったまま”(笑)セミナーに持ち込み、即・実装。
私は、こうしたワークショップや研修、キャリア相談など、様々な人と話す機会があるのですが、多くの方が自分の強みに気づいていない方が多い様に感じています。
弱みや苦手なことは、スムーズに話されるのですが、強みに関してはなかなか出てこない。(もちろん、謙遜なども考慮)
でも、物語形式(ナラティブ)で話を聞いていくと、自然と強みの種が出てきます。
これは、本人かま気づいていないことが多く、なかなか1人では気づけないことです。

よくあるのが、弱みだと思っていたことが強みになること
例えば、弱みを「新しいことにチャレンジできない」と思っている方。
実はこれは、捉え方の問題で、その逆は「何事も慎重に考えることができる」という強みに変わります。
つまり、弱みだと思っていたことが強みになるんです。
これを「リフレーミング」といいます。
導入で投げかけた問い
セミナーの冒頭では、こんな問いを参加者の皆さんに投げかけました。
- 若手や新入社員が、失敗を必要以上に恐れてしまう
- 「強みを活かそう」と伝えても、本人がピンときていない
- 強みに気づきにくい
失敗を恐れる、強みに気づきにくいといった背景にあるのは、これまで出来事をネガティブな方に意味づけている可能性があります。
私たちはこれまでの出来事(過去)を元に行動しています。
これは経験として良い方向に働くこともあれば悪い方向に働くこともあります。
出来事(過去)の事実は変えられないけれど、リフレーミングによりそれをどう捉えるか(意味づけ)は変えられます。
今回の体験セミナーでは、そんなリフレーミングを中心に体験していただきました。

なぜ“絵本”なのか
今回のセミナーで大切なのが、グループで行うということ。
1人では気づけないことも、他者の何気ない言葉が大きな気づきになったりまします。
そんな、他者との関わり合いに欠かせないのが心理的安全性。
- 自由に話せる
- うまく話せなくてもいい。
- 正解を言わなくてもいい。
そんな「語っても大丈夫な場」が必要です。
私たちの絵本作りでは、環境設定、音楽、距離感、話し方、ルールづくりなど、心理的安全性を高める工夫を重ねています。
でも実は、いちばん大きな力は「絵本」という存在そのもの。
「絵本」と聞くだけで、人は少し笑顔になって、少しやさしくなる。
この力を、私は何度も目の前で見てきました。

今回の絵本作りワーク
今回のワークでは、左ページに「うまくいかなかったこと」「苦手だと思っていること」を描き、右ページには、同じ言葉を、ただ繰り返し書いていただきました。
その言葉は、とてもシンプル。
「大丈夫」
絵本にすることで、
- 失敗や弱さを、少し距離をもって眺められる
- 自然な自己開示が起こる
- 感情を、安全に外に出せる
- 出来事を“物語として”再構成できる
そんな変化が、無理なく起こっていきます。
最後のページでは、「自分を支えてくれた人・チーム・仲間・ペット・推し」などを描き、裏表紙に、もう一度「大丈夫」。
「自分は一人じゃなかった」そんな物語で、絵本は終わります。
ネガティブなことも絵にするのとで負担は大きく軽減します。
この体験を通して、
- リフレーミング
- ナラティブ(物語の再構成)
- レジリエンス
- 強みへの気づき
を、教え込まず、でもしっかり腑に落ちる形で体験できます。
「大丈夫」は、甘やかしではありません。
- 失敗しても、やり直せる
- 弱さの中に、強みの芽がある
- 支え合える関係性がある
そんな、健全な自己肯定の言葉です。

参加者のご感想
40代男性 Sさん
職業:企業経営(企業研修講師・人材開発コンサルティング事業)
「作品づくりのプロセスはとてもやさしく、丁寧に設計されており、自分の内面と向き合いながら、自分自身の物語を肯定的に再構成していくことができます。
その過程で気持ちが自然と整理され、最後にはとてもあたたかい気持ちになりました。製本し完成した絵本には自然と愛着が湧き、一つの作品を生み出せた喜びとともに、とても幸せな時間だったと感じています。
終了後もその余韻が残り、また機会があれば、違ったテーマの作品づくりや、家族や友人とも一緒に体験してみたいと思いました」
セミナー後の、うれしい余韻
セミナー終了後は、跡見学園女子大学の板東教授とお会いしました。
今回の絵本作りの手法についてお話しすると、心理学的な視点からも、とても高く評価していただきました。
また、出版のお話もいただき、現在進めております。
すでに“世界”を舞台に活躍されている板東先生からの言葉に、背筋が少し伸びつつ、「よし、まだまだやろう」と静かに火がつく時間。
ちなみに帰り道、歩くスピードが体感1.2倍になっていました(笑)
さいごに
今回の東京セミナーを通して、あらためて感じたのは、「自分の物語を安心して描ける場」へのニーズの大きさでした。
「強みを見つけなきゃ」
「前向きにならなきゃ」
そんな言葉に少し疲れてしまった方こそ、いったん立ち止まって、絵本というやさしい形で自分のこれまでや今を見つめ直す時間が必要なのかもしれません。
ライフキャリア絵本のワークショップは、正解を出す場ではなく、変わることを急かす場でもなく、ただ“物語を描いて、分かち合う”場です。
今後も、各地で「絵本表現と自己理解」体験ワークショップを開催していく予定です。
また、
- 絵本表現を支援や教育、対人援助の現場で活かしたい
- ナラティブやリフレーミングを、体験として学びたい
- 「ライフキャリア絵本」を自分の活動に取り入れてみたい
そんな方向けに、ライフキャリア絵本を体系的に学ぶ講座もご用意しています。
「描くことが目的」ではなく、“人と向き合う力を育てるツール”としての絵本を、一緒に深めていけたら嬉しいです。
お気軽に、コメント、ホームページ「お問い合わせ」よりご連絡ください。

