ライフキャリア絵本とは
絵本をつくるという創作活動を通して、自分の人生を物語り、他者と分かち合うためのプログラムです。
絵本をつくる過程で、自分の経験や価値観を物語として整理し直し、未来に向けた希望や方向性を描きます。
これはナラティブアプローチの実践であり、自分自身を深く理解すると同時に、他者の物語を聴くことで多様な生き方を尊重する力を育みます。
さらに、絵本そのものが持つ魅力も大きな価値です。
絵本は誰にとっても親しみやすく、言葉と絵が合わさることで記憶や感情に強く残ります。
一冊に形として残ることで、後から読み返したり家族や仲間と共有したりでき、思いを未来へとつないでいくことができます。
また、絵本には「安心して語れる居場所」をつくり出す効果があります。
言葉だけでは伝えにくい思いを絵やストーリーで表現することで、子どもから大人まで年齢や国籍を超えて共感し合うことができます。
そのため、ライフキャリア絵本は教育現場ではキャリア教育や自己肯定感の向上に、福祉領域では心のケアや交流に、企業研修ではキャリア自律やチームビルディングに活用が期待されます。
さらに、地域の図書館・地域交流など様々な地域活動にも取り入れられ、世代や立場を超えた対話とつながりを生み出す文化体験として広がりを見せています。

3つの特徴
自分の経験や価値観を物語で整理できる
他者の物語を聴き、多様性を尊重できる
絵本という創造的な手段で安心感を生む
5ステップのプログラムの流れ
- テーマ設定
「家族の思い出」「旅の思い出」「これからのキャリア」など、ワークショップ(研修)の目的に応じて設定します。物語づくりの大切な出発点となります。
- 内省
テーマに沿って、絵本づくりシートに自分の考えや経験を書き込み、それをグループで共有します。対話を通じて絵本に込めるメッセージを明確にしていきます。
- 絵本表現
絵本の描き方や構成の基本を学びつつ、ナラティブを活かして物語を形にします。絵と文を通して、自分だけの世界を表現する体験が得られます。
- 製本
完成した中身に表紙を合わせて製本します。簡易的な方法ですが、一冊の本として形になる瞬間は特別で、大きな達成感と喜びを味わえます。
- シェアリング
完成した絵本をグループで読み聞かせし合います。物語を共有することで多様な価値観に触れ、互いへの理解と共感を深める場が生まれます。

ライフキャリア絵本導入例
地域活動(子育て支援、地域交流イベントなど):親子を対象にした絵本作りワークショップ
- テーマ:家族の思い出
- 親子でワークシートに思い出を書き出しながら絵本にする物語を深めていく
- 絵本を描く(子どもが絵、親御様が文章など、親子で一緒につくる体験)
- 簡易製本により、世界で一冊の絵本が完成
- グループで他の親子とシェアリング:親子で読み聞かせなど。

企業研修(キャリア研修・福利厚生など)
- テーマ例:これからのキャリアを描く
- ライフラインチャートでこれまでの人生、職務経験を振り返り、これからの自分のキャリアについて考えを深める
- 絵本を描く(自分が描く未来を絵本にする)
- 簡易製本により、世界で一冊の絵本が完成
- グループで他の仲間とシェアリング。自分を物語り、仲間たちの背景や未来を共有することでチームのつながりを深める。

学校教育(幼稚園〜大学・専門学校・フリースクール):「絵本作り」として授業やワークショップでの取り入れ
- テーマ設定:「自分の将来の夢(例)」
- ワークシート記入:思い描く夢を書き出しながら、物語を膨らませます。
- 絵本表現:言葉と絵で自分の夢を物語にします。
- 製本作業:簡易製本で「世界に一冊の絵本」を完成させます。
- シェアリング:グループで読み聞かせを行い、お互いの価値観に触れることで他者理解を深めます。

時間について
2時間〜3時間を推奨しますが、1時間30分以内で、などお客様のご希望に応じて内容をご提案いたします。
期待される効果
子ども:自己肯定感・表現力の向上
大人:自己理解・キャリア自律・やりたいことの発見
親子:対話や絆が深まる・子どもの成長に気づく
お客様の声
「これまで言葉にできなかった想いを、絵本にすることで初めて表現できた」(個人参加者)
「メンバーの背景を理解する貴重な機会になった」(企業人事担当者)
「絵本を用いることで研修の雰囲気が柔らかくなり、優しい気持ちになれた」(研修参加者)
「教員も知らなかった生徒の価値観や力を知ることができて生徒理解につながった」(教員)

