絵本作りワークショプとは
ライフキャリア絵本は、絵本作りというやさしい表現を通して、子どもが安心して自分の内側と向き合うためのプログラムです。
「うまく話せなくてもいい」「答えを出さなくてもいい」心理的安全な場で、今の気持ちや感覚を、絵や色、物語として表していきます。
評価や正解を求めないからこそ、言葉にならない思いが自然にあらわれます。支援者はそれを“問題”ではなく、その子自身の「物語」として受けとめることができます。また、完成した絵本を分かち合う時間は、互いの違いに気づき、「分かろうとする関係性」を育みます。

3つの意味のある変化
言葉にならない思いや感情を、絵や色、形で自由に表現します。上手に描く必要はありません。
描いた絵を静かに眺め、自分に問いかける中で、大切にしていることや心の奥にあった思いに、無理なく出会っていきます。
絵本表現に取り組むことで、評価や正解から離れ、自然と「いまの自分」に意識が向かいます。自分のペースで表現する中で心が落ち着き、集中や安心感が生まれます。「描いているうちに気持ちが楽になった」と感じる子どもも多くいます。
完成した絵本は、振り返ったり、仲間と共有したりすることができます。他者の物語に耳を傾けることで、相手の背景や気持ちを想像し、自分との違いに気づく経験が生まれます。言葉だけでは見えにくい内面に触れることで、互いを尊重し合える関係性が育まれます。
5ステップのプログラムの流れ
- テーマ設定
自由表現又はテーマ設定など、ワークショップの目的に応じて設定します。絵本作りの大切な出発点となります。
- 内省
テーマに沿って、自分ストーリーチャートやディスカッションを通して自分の考えや経験を書き込み、それをグループで共有します。対話を通じて絵本に込めるメッセージを明確にしていきます。
- 絵本表現
絵本作りの基本を学びながら、絵本を描いていきます。自分だけの世界を表現する絵本作り体験が得られます。
- 製本
中身と表紙を合わせて製本します。簡易的な方法ですが、一冊の本として形になる瞬間は大きな達成感を味わえます。
- シェアリング
完成絵本をグループで読み聞かせし合います。物語を共有することで多様な価値観に触れ、互いへの理解と共感を深める場が生まれます。

ライフキャリア絵本導入例
地域活動
子育て支援、子ども食堂、平和活動、被災地支援など、さまざまな地域活動の場で実施しています。親子で一冊の絵本をつくるワークでは、子どもが絵を描き、大人が言葉を添えるなど、安心して気持ちを分かち合う時間につながり、親子にとってかけがえのない思い出となります。

学校教育
図書館、学びの多様化学校、高等学校、大学、フリースクールなど、さまざまな教育現場で実施されています。絵や物語を通して、評価や正解にとらわれず自分の思いに向き合い、自己理解や他者理解を深める学びを支えます。キャリア教育や探究学習、不登校支援にも活用可能です。

時間について
絵本作りワークショップは2時間を基本とし、1時間30分以内などご希望に応じて内容を調整します。
職員向け研修は1時間から実施可能です。絵本作りを通して、自己理解やナラティブの視点、声かけ、環境設定、運動発達に基づくペン・ハサミの使い方などを学びます。
ワークショップ導入インタビュー
京都市立洛風中学校 芦田校長先生に、生徒たちの変化や絵本作りの可能性について伺いました。

Q. 導入前に感じていた課題は?
A. 「今年の3学年は“経験値が低い”と感じていました。小さなケンカや嫌なことがあると、くよくよして立ち直れないことが多かったんです。だからこそ、失敗してもいい経験を積ませたいと思いました。
Q. 絵本作り授業が始まってみるとどうでしたか?
A. 思っていた以上に楽しそうで驚きました。
最初は一人で黙々と描いていた生徒も、声をかけられるうちに周りを意識し始め、教室全体がだんだんと開放的な空気に変わっていきました。
Q. 生徒たちの変化はありましたか?
A. 意外な生徒が細部にこだわったり、大胆な表現をしたり…。普段は見えなかった一面が出てきました。子どもたち自身も友達の “意外な面”を発見しながら、互いの良さを認め合っていました。
Q. 先生ご自身の学びはありましたか?
A. 普段あまり自分を語らない生徒も、好みや理想のストーリーを持っているんだと気づきました。場を整えれば、きちんと表現できる。その姿を見て、とても安心しましたし、大きな学びになりました。
Q. 導入を検討されている方へメッセージをお願いします。
A. 絵本を作るだけではなく、その作品を通して友達を知り、自分を発信できるのが素晴らしい点です。機会があれば、ぜひ導入してみてほしいですね。

